オリーブオイル講座1

当社では、エクストラヴァージンオリーブオイルのなかでもオリーブオイルソムリエが厳選した選りすぐりの商品だけを取り扱っておりますが、オリーブオイルと一口に言ってもいろんな種類とレベルがあります。

今日は皆様にオリーブオイルの常識について書いてみたいと思います。

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世界のオリーブの木の9割がイタリアやスペインなどの地中海沿岸地方にあるといわれていますが、それは、春と秋に雨が多く、夏は乾燥し、冬は暖冬の傾向というこの地方特有の気候のおかげであるといわれます。イタリアのオリーブはおよそ150種ほどあるといわれ、イタリアのそれぞれの土地に合った栽培方法で育てられています。9月中ごろから10月までに収穫されるオリーブは通常食用として、11月頃に収穫されるオリーブがオリーブオイルとなります。

オリーブの実は、摘み取ったその瞬間から劣化が始まるため、迅速にオリーブオイルの作業が施されます。まず、葉、小枝、石などを綺麗に取り除き、洗浄、攪拌、粉砕した後、圧力をかけ、オリーブから液を搾り取ります。その後、静置によって油と果汁に分けた後、さらに遠心分離器で純粋な油分を取り出して出来上がりです。

フラントイオ(オリーブ製造業者)のなかには、グレッゾといって、静置後遠心分離器をかけず、上澄みだけを軽くろ過し販売している業者があります。このタイプのオリーブオイルは濁りはあるものの風味がずば抜けて高く、今も市民に絶大な人気がありますが、きれいに分離されていないため、味の劣化も早く、美味しいグレッゾのオリーブオイルが日本に輸入されるのは非常に難しいです。

オリーブから一番搾りをしたものをエクストラ・ヴァージンオイルと呼び、酸化度も極めて低く1%未満でないとエクストラをうたうことはできません。酸化度が1.5%になると極上ヴァージンオイル、3%になると高級ヴァージンオイル、4%になるとヴァージンオイルとなります。

二番絞りのオリーブオイルや、ヴァージンオイルと精製油をブレンドしたものをピュア・オリーブオイル(オーリオ・ドリーヴァ)と呼び、手ごろな値段で大量に購入できるため、揚物、炒物などに使用されます。

意外に知られていないのがオリーブオイルは凝固点が2度なので、冬の寒い時期にまれに凝固し白濁することがあります。当社にも、お客様から品質についてのお問い合わせが時々ございますが、このために品質が劣化することはありません。

エクストラ・ヴァージンオイルの素晴らしいところは、100%天然の果実の生絞りであること、発煙点が210度というところからほかの種類の油と比べても極めて酸化しにくいこと、そして、リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が含まれているため血中のコレステロールを抑制する働きがあり、血栓症や動脈硬化の予防などに期待ができることなどから、最近ではオリーブオイル健康法として人気を集めています。

次回は美味しいオリーブオイルの見分け方のお話です。お楽しみに。