イタリアの食卓とワイン1
イタリアの食卓には必ずと言っていいほど、ワインを伴います。
昔は各地方の料理のように、ワインもその土地で作られたものが飲まれていました。現在では、産地にこだわらず、食事の内容に合わせて飲まれるようになりました。
前回にも書きましたように、イタリアの食事のスタイルは、アンティパスト(前菜)からはじまり、パスタやリゾットなどのプリモ・ピアット、そのあと、魚や肉などのセコンド・ピアットと続き、デザートに移っていきます。
今回はプリモ・ピアットに合わせるワインの選び方について書いていこうと思いますが、少人数での食事の場合、何本もワインをあけるわけにはいかないので、後に続く料理も考慮して選んでくださいね。
さて、プリモにワインを合わせる場合は、ソースとの相性で選びます。
ハーブや魚介類のパスタは、通常、トマトが入らないので、軽めの辛口白ワインを合わせます。
トマトが入れば、しっかり辛口の白ワインか、熟成白ワイン、もしくはロゼワインを合わせて飲みます。
肉やチーズを使ったソースの場合は、熟成白ワイン、ロゼワイン、若い赤ワインもよく合わせて飲まれます。
パスタ料理とワインを合わせるときに気を付けたいのが、水をあまり飲まないこと。水は食べたパスタとワインを胃の中で膨張させてしまいます。上手くワインを合わせることができれば、胃の働きが活発になり、消化もスムーズになるので、後に続くセコンド・ピアットが無理なく楽しめます。
そして、リゾットの場合は通常、白ワインを合わせます。もちろん、具によって合わせるワインも変わってきます。野菜や魚介類のリゾットであれば香りが高い辛口白ワイン、肉類であれば辛口のロゼや軽い赤ワインが良いでしょう。
ピザの場合は、トマトの酸味とチーズの組み合わせを考慮して、コクのある白ワインがお勧めです。
ワインを何本か開ける場合は、最初にアルコール度数の低い白ワインから始めて赤ワインへと持っていくのが、内臓に負担が少なくて済みます。逆をすると、体への負担が大きいだけでなく、後に続く料理の味を損なうことにもなりかねません。
ここでワインの保存適温度をご紹介しておきましょう。一般的な目安として参考になさってください。品種により例外があるので、特別なワインはワインソムリエにアドバイスを受けましょう。
- 辛口発砲性ワイン(スプマンテ) 8~10度
- 軽い白ワイン 10~12度
- コクのある白ワイン 10~12度
- ロゼワイン 12~14度
- 軽い赤ワイン 17~18度
- コクのある赤ワイン 18~20度
- 甘口発砲性ワイン(スプマンテ・ドルチェ) 10~12度
- デザートワイン 10~12度
- リキュールタイプのワイン 12~14度
通常冷蔵庫は6~7度ぐらいなので、長時間入れておくと冷えすぎて香りが楽しめなくなるので、飲む1時間ほど前には室温に置いておくとよいでしょう。
次回は、セコンド・ピアットに合わせるワインについて書いていきます。