イタリアの食卓とワイン2
先週のイタリア人的なワインの合わせ方の続きです。イタリア人が、セコンド・ピアット(メイン料理)をどんなワインと一緒に食べているのか書いていきたいと思います。
肉料理にワインを合わせるとき、まず考えるのは、ワインを肉の種類に合わせるのか、調理法に合わせるのかということです。オーブンで焼く料理のような、肉の香りが強い一品は、肉の種類を考慮してワインを選びますが、煮込み料理のような全体に肉の脂肪分が溶け出す一品はを包むような場合は、その調理法を考慮してワインを選びます。
まず、鶏肉、豚肉、ウサギ肉、仔牛肉などの白身肉には、しっかりとした辛口白ワインから、ロゼ、軽めの赤ワインを合わせます。
白身肉に合うワインの有名どころをあげていくと・・・
- フラスカティ・スペリオーレ
- オルヴィエト・スペリオーレ
- カステル・デルモンテ・ロザート
- バルドリーノ など。
逆に、赤身肉の牛肉や馬肉には、コクのある赤ワインをチョイスします。
- ヴァルテッリーナ・スペリオーレ
- ゲンメ
- ネッビオーロ・ダルバ など。
また、変わったところで野鳥、ノウサギ、猪などは、肉に臭みがあるので通常、スパイスがきいた料理が出ることが多く、このようなピアットには熟成赤ワインを合わせます。
- バローロ
- ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
- スフォルツァート など。
冬の北イタリアでよく出される肉の煮込み料理などには、熟成赤ワインを合わせるとよいでしょう。肉の煮込み料理は元々、1500年代以降、北イタリアの町々の建築に携わった肉体労働者のために安価でカロリーがあり栄養がつく一品をトラットリア(小食堂)がだしたのがきっかけといわれています。例えば、ミラノの「カッソーラ」は豚と牛をぶつ切りにしキャベツと一緒に煮こんだもの、「ブラザード」は牛肉の塊を野菜と赤ワインで煮込んだもの、「ストラコット」は牛肉を赤ワインでマリネにして野菜と一緒に煮こんだ料理、「ストゥファート」は肉と野菜を一緒に蒸して煮た料理です。どれもかなりヘビーな一品。これらには、バローロやバルバレスコなどの熟成赤ワインを合わせて食します。
またセコンドが魚料理の場合は、まず考えるのは、その魚が脂肪分を含んでいるのか、赤身なのか、青魚なのかということ。料理法が生に近い場合はワインを選ぶのはさらに難しくなります。ソースを使った料理の場合は、そのソースの内容によって合わせるワインを変える必要があります。
ゆで魚料理の場合は、繊細な白ワインを合わせると無難です。もしハーブソースなどがつかわれている場合は、なめらかな辛口ワインを選ぶとよいでしょう。
- ソアーヴェ
- ルガーナ
- トルジャーノ・ビアンコ など。
フリット(揚げ魚料理)の場合は、しっかりとした辛口白ワインを合わせます。
- ガヴィ
- ロエロ・アルネイス など。
オーブンで焼いた魚料理に場合は、魚の青味や苦味などを調和するなめらかでしっかりとした辛口白ワインを合わせます。
- アルバーナ・ディ・ロマーナ
- フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ など。
そして、煮魚に使われる魚は脂肪分が多く、トマトと一緒に煮こむことが一般的なので、酸味がしっかりした白ワインかロゼワインを選びます。
- グレコ・ディ・トゥフォ
- バルドリーノ・キアレット など。
とこのような感じでざっと、セコンド・ピアットに合うワインを上げてみました。イタリアレストランに行く際などに参考にしていただけると嬉しいです。次回はさらに続けて、野菜やチーズにあうワインの合わせ方について書いていきます!